総州書房雑録

読んだ本の感想、考えたことを書いて行きます。

2018-01-01から1年間の記事一覧

いかり ぱんでみっく

「あー、いけないんだー。先生に言っちゃおー。」 もはや名前も…ましてや彼が犯した罪状すらも覚えていないが(申し訳ない限りである)かつて幼少期に、同級生が他の同級生にそう大声で叫ばれていたのを思い出した。 そうなると、先生が呼ばれる。 他の生徒…

ぱっしょん

思想家というものについて考えていた。 彼らは、常に既存の概念や現実への挑戦者であり、夢想家、理想家と表裏一体のものであっただろう。 翻って言えば、夢想家や理想家の側面を持たない『思想家』は単にモノが見え過ぎる毒舌家といった存在に過ぎず、思想…

チョンマゲとトーガ

源平の頃より江戸時代になって、 宋学(いわゆる朱子学)の概念が 根付くまで、日本の武士階級には厳然とした『主従関係』という上下関係は無かった。(主従の人間的美談ならあるが、一つの統一された行動様式としては、わずかに織田信長とその家臣団があっ…

教養と立場

司馬遼太郎の幕末に関する小説2冊を続けざまに読んだ。 ① 最後の将軍 ②酔って候 の2冊である。 1冊目は江戸幕府最後の将軍、徳川慶喜を主人公にした作品であり、2冊目は幕末に存在した四人の藩主に関する物語である。 『最後の将軍』の主人公、徳川慶喜は世…

はじめに

名言、というものがある。 片言隻句には違いない。 一行、二行…どんなに多くとも、文庫本の1ページを越すことはないであろうその短い言葉に人は、奮起し、また涙し、臥薪嘗胆し、逆に背負うた荷物をそっと降ろす。 浅学非才の私が言うまでもなく、言葉には…