総州書房雑録

読んだ本の感想、考えたことを書いて行きます。

2022-01-01から1年間の記事一覧

フィッツジェラルド 「リッチボーイ」

主人公のどこまでも自分本位な姿がいたたまれない。 誰のことも愛したこともなく、愛の何たるかも知らない。 叔母の不倫を解決した際にそれが端的に現れている。「心弱き者の迷い」を容認することが彼にはできない。 彼が愛したのは、自分の家柄であった。 …